6年前に体験した話。
一人暮らしのアパートに妹が遊びに来た。
大学でから帰って、コンビニ弁当を食べながらテレビを見ていた時のことだった。
多分午後8時くらいだったのだろうか。
会話は無駄話だけだったが、ソファに並んで座ってテレビを見たりしながら、兄妹の特別でもない時間は真夜中まで流れた。
翌朝、目を覚ました時の妹の姿はなかった。
そして、あることが思い浮かんだ。
「俺に妹はいない…」
確かに夢ではなかったはずだ。はっきりと呼んだ妹の名前さえ覚えていない。
ただ、顔は覚えている。
（6年前の話なので、今はうろ覚えなくらいだが）
前日の新聞TVセクションを見ると、0時番組のオープニングから10分ほどは視聴していたことのは確実だ。
妹と一緒に。
その時までソファに座っていましたけど、目を開けた場所はベッド。
（ソファとベッドはすぐ隣ですが）
俺の体の状態を見たとき、前日にお風呂は入ってないようだった。
服は前日大学に行ったまま着替えておらず、その状態のままだった昨夜と同じだ。
最初は「夢？」と思ったが、一つの明らかな証拠があった。
台所の流しにあった2つのガラスカップ。
俺のカップはいつも同じものを使っているので、客用カップを使用することはありません。
顔を見て「妹」と認識して部屋に迎え入れたのは、
一体誰だったのだろうか。
