今から10年前のこと。
僕は家の前にあるリンゴの木の森でいつも遊んでいた。
森と言っても周囲が十分見えるほどの大きさだ。
ある日、いつものように遊んでいた時のことだ。
その日は、晴れてとても暑い日だった。
そしてふと気づいた。
遠くのりんごの森の向こうに誰かがいた。
歩いていた。
しかし、何かおかしかった。
ビデオを早送りするような歩き方だった。
いや、多分歩いてるのはななかった。
動いていた。
動き方がめちゃくちゃだった。あまりにもおかしかった。
見つめていた僕も、だんだんその異常さに気づいた。
近くに行く勇気はなかった。
怖いとも思わなかった。
ただ、気持ち悪くておかしかった…
思わず家に逃げた。
もう一度見る勇気が出なかった。
後で考えてみると、それは人はできない動きだった。
そんなとても変な経験。
今考えても、本当に鳥肌ものでした。