別に怖くないが、私のおばあちゃんの物語。
私の田舎はかなり山なのに、地面が枯れて農作物があまりできない。
昔から住民同士、とても貧しくて盗むものがないということを知っているので、家に鍵をかけて外出しない。
そもそも鍵も存在しない。
そんな劣悪な環境のせいもあって、特に女性が年をとったら腰がエビのように曲がってしまう。
しかし、都市とは異なり、空気や食べ物が汚染されていないため、または定年退職がなくてかもわからないが、病気もなく長生きする人が多い。
そして、私のおばあちゃんも病気にもならず長生きした。
それでも下半身は弱まることで、エビの背中のせいで座って生活するようになってしまった。
脳は平気なので、毎日の世話をする息子夫婦に「申し訳ない」、「私は情けない」と繰り返していたし、
そうするうちに「殺してくれ」とまで言うようになった。
当時は、老人うつ病という心の病は、あまり知られておらず、息子の夫婦はおばあちゃんを落ち着かせる程度しかできなかった。
そんなある日、息子夫婦が農作仕事を終えて帰ると、珍しくおばあちゃんが、小さな椅子に座っていたが、
「あれ起きたのかな?」と思ったが、座って首をつった状態だったという。
家で亡くなったとしても、医師の立会いがなければ変死扱いされると言って警察が来て調査したところ、そこから分かった事実がある。
・おばあちゃんの部屋から板の間までおばあちゃんの指紋が何度も往復した形で残っていた。
・板の間にわらがあった。
・首をつったロープは、おばあちゃんが板の間のわらを利用して作って布団の下に隠しておいたもの。
・ロープをかけた梁にもおばあちゃんの指紋が残っていた。
・この程度の高齢者であれば、首を吊り前、心臓が止まっていたので、自然死と認めている。(警察が仕事を適当にする)
田舎の家なので、板の間が低いので、降りて行こうとしても高さある。
下半身が悪い祖母が板の間に落ちた可能性がないわけではないが、落ちた場合立ち上がらなければ上がってくることができない。
おばあちゃんは、立つことができないのに
椅子に座ってよりロープをかけたとしても、おばあちゃん一人ではできない。
親戚の間では、何があっても死ななければならないという意地で、おばあちゃんが腰を伸ばしたのではないかとの結論をだしたが
もし立つことができるとしても、当初から背の低いおばあちゃんの手は届かなかっただろうと思う。