世界各国、様々なイベントや、スポーツの大会、国家行事などで有名なアーティストが国歌を歌うのを目にしますが、やはり国の顔と言っても過言ではない国歌を大勢の中で歌っている姿はかっこいいな〜！って思いますよね。その中でも、世界で特に有名な国歌と言えば、アメリカ国歌があります。
様々なアーティストが歌唱、演奏をしてきましたが、アフリカンアメリカンの伝説のギタリスト、ジミ•ヘンドリクスがウッドストックフェスティバルにおいてギターだけで演奏したアメリカ国歌「Star Spangled Banner」や、ホイットニー•ヒューストンがNFLのスーパーボールで歌ったものは有名で、この二つの名演は少し洋楽を嗜む方であれば、映像や音源を聴いた事があるのではないでしょうか？上述した二人以外にも、ゴスペルやR&B,HIPHOPなどで活躍してるアフリカンアメリカンのアーティストが国歌をやっているのは見た事があると思います。その活躍は皆さんの知る所ですから、ついつい一般の人でも「この人絶対上手いはず！」と期待してしまうものです。
この映像の主人公も、ご多分に漏れず、きっと上手いはず！しかも厳格さと規律を重んじる軍関係のセレモニー、位も立派そう、歌えない訳がない！期待は膨らむばかり！しかしながら、そんなステレオタイプは一瞬で吹き飛ばされ、なんとも最高な裏切りをしてくれたものです。この兵隊さんがどれだけの身分かは分かりませんが、位が高くいつも厳しい上官であればある程、居合わせた者の内心はある意味酷というものです。最初は太ももをつねりながらその時間を耐える。しかしこの方、決して上述のアフリカンアメリカンのアーティストのように自信と才能に恵まれた人達とは程遠く、むしろ生真面目な不器用者といった印象で「何故に私」という、迷いと緊張と恥じらいが見て取れ、最高にファニーな空間を作り出していいます。
とはいえ、おそらくこれはなんらかのセレモニーでしょうし、なんてったって使命感が勝ちますから、最後まで熱唱します。途中完全に音を見失って、猫みたいな声まで出しちゃう始末ですが、ドラマは終盤で起こります。最高にスリリングなせめぎ合いを続けていると、居ても立っても居られなくなった聴衆たちは心優しいサポートで手を差し伸べる、後ろのおばちゃん笑いを堪えながらシンギング、そして大佐は死闘を繰り広げ完走。もうこれは一つの歌というドラマです。
