日本国内で失踪(行方不明)する人は8万人を超えると言われます。中には行方知れずになったまま、見つからない人も数多く存在します。そんな失踪者の行く末の姿かも知れない情報を伝えるbotがTwitterに存在します。
■年間で8万人以上が失踪している現実
警察庁が2013年にまとめた統計によると、日本全国で年間に受理された「行方不明届」は約84000件……つまり、年間にそれだけの数の人が行方知れずになっているということになります。
ただし、そのうち79800人(全体の95%程)は後に所在が確認され、さらにその7割は届け出から1週間以内に所在が確認されています。
しかし、それでも年間4000人以上は行方不明届が提出された以降も、その所在が確認できない行方不明者になっているのです。
■行方不明者は2種類に分けられる
警察に行方不明届けが出された失踪者=家出人は、「一般」と「特異」の2種に分けられます。
「一般家出人」は、本人の意思で失踪したと思われる失踪者……例えば学業や仕事が原因で家出したと考えられる家出人を指し、この場合は緊急性がないものと判断され、通常積極的な捜査が行われることはありません。
これに対し、失踪が本人の意思によらないと思われるケース、つまり事件や事故に巻き込まれた可能性のある失踪者を「特異家出人」と呼び、緊急の手配が行われます。失踪者が自傷・自殺する恐れがある場合や、他者に危害を加える可能性が考えられる場合も特異家出人として捜査が行われます。
■身元不明の死者……行旅死亡人
年間4000人を超える数の人が所在の知れないまま行方不明となっているわけですが、そうした行方不明者の末路のひとつと考えられるのが「行旅死亡人(こうりょしぼうにん)」です。
「行旅死亡人」とは、住所・氏名・本籍地が特定できず、遺体の引き取り手の確認も摂ることができない死亡者のことで、俗に言う『行き倒れ』の死人を指す言葉です。
行旅死亡人の条件に該当する死者が発見された場合、その見つかった場所の自治体が火葬を行い、官報に当該の行旅死亡人に関する特徴等をまとめた記事を掲載、公告します。
行旅死亡人は、あるいは特異家出人として失踪した人が、誰に知られることなく最期を迎えた、その姿なのかもしれません。
■Twitterで行旅死亡人の公告を見られるbot
Twitterには非公式で官報に掲載された行旅死亡人の公告を掲載する非公式の『行旅死亡人bot』があり、2017年6月15日現在、6600人を超えるフォロワーがいます。
『行旅死亡人bot』に掲載されているのは、このような記事です。
https://twitter.com/P_Unknown_Bot/status/839814435828989953
https://twitter.com/P_Unknown_Bot/status/875029637277118464
https://twitter.com/P_Unknown_Bot/status/874902583718137856
行旅死亡人の情報に触れる時、現代社会の闇の深さを覚え慄然とした思いを抱かずにはいられませんね。
行旅死亡人情報bot
https://twitter.com/P_Unknown_Bot