家庭用ゲーム機が初めて市販されたのは1972年のこと。イギリスの電気機器メーカーMagnavox社が発売した「オデッセイ」が史上初のゲーム機と言われています。
遅れること3年、アメリカのアタリ社が『ホーム・ポン』を発売し、ゲーム機の歴史は始まりました。
2016年現在、市販されている据え置き機としては、PlayStation4やXboxOneは『オデッセイ』から数えて第8世代のゲーム機とされています。
それだけ、家庭用ゲーム機は世代交代を繰り返し、多くのゲーム機が時間の流れと共に消えていったわけです。
一方でレトロゲームのブームからも分かるように、現在でも古い世代のゲーム機には一定の需要があることも確かです。
2016年11月、1988年に発売された第4世代に当たるゲーム機「メガドライブ」の新型の発売が発表されて話題になりました。
■第4世代ゲーム機とは?
1980年代後半から1990年代前半にあたるこの時期、ゲーム機のグラフィック表現力が格段に向上、ステレオ機能の標準搭載も進みました。
この時期に発売されたのが、NECの『PCエンジン』、任天堂の『スーパーファミコン』、SNKの『ネオジオ』、そしてセガの『メガドライブ』です。
第4世代ゲーム機は、第3世代のゲームを受け継ぎ、2Dゲームが成熟・完成した時代であるとも言えます。
■メガドライブとは?
メガドライブは1988年にセガが発売した据え置きゲーム機です。
当時、家庭用ゲーム機市場で最大シェアを誇っていた任天堂のファミリーコンピュータが8ビットマシンであったのに対し、セガがいち早く16ビットマシンを市場に投入すべく開発したのが、このメガドライブでした。
後に外付のCD-ROMドライブも発売され、より複雑かつ大規模化したゲームが発売されました。
メガドライブの時代は1994年、後継機となるセガサターン発売まで続きました。
メガドライブは今なお世界的愛好家の多いゲーム機として知られ、この時代にメガドライブ用として誕生した「ソニック」や「ファンタシースター」シリーズは、最新世代機においても続編がリリースされ続けています。
■28年目の新型発売
2016年11月1日、新型「メガドライブ」が発売されるというニュースがネットで流れ、ゲーマーの注目を集めました。
ただ、残念なことにこれはブラジル限定の話で、ファミコンミニのような復刻版が発売される、というものではありませんでした。
新型メガドライブを発売するのは、ブラジルの企業Tectoy社です。
Tectoyは80年代以降、セガとライセンス契約を結び、正式にメガドライブの互換機を製造販売してきた会社です。
それにしても、なぜいまになってメガドライブの新型を発売するのでしょうか?
実はブラジルではゲーム機の輸入に高額の関税がかかります。
PlayStation4を輸入販売しようとすると、日本円にして単価18万円ほどにもなってしまうそうです。
そのため、日本製の最新型ゲーム機の輸入販売は事実上不可能と言える状況になっています。
しかし、セガとライセンスを結んでいるTectoyは国内でメガドライブを生産販売できるため、関税の影響を受けることがありません。
そのため、ブラジル国内では現在もメガドライブが現役のゲームマシンとして活躍しているのです。
発表された新型メガドライブは、従来のメガドライブ用ゲームカートリッジが使用できるほか、本体に22本のゲームソフトを内蔵しているとのこと。
また、SDカードスロットも搭載されるそうです。
価格は399レアル(約13000円)となっています。
日本でもレトロゲームの人気が高まっていますが、この新型メガドライブが日本市場で販売されることはあるのでしょうか?