ビデオゲームというものが生まれてから、これまでいろいろなジャンルのゲームが作られては消えていきました。
パズルゲームの中にも面白いものがあったのに、続く作品がなく消えてしまったものがあります。
穴を掘って進む「堀ゲー」として名を馳せた『Mr.ドリラー』もその一つです。
そしてその元祖とも言える『ディグダグ』、なんとそれが別の姿となって帰ってきました。
■ディグダグについて簡単な説明を
『ディグダグ』とは1982年にナムコ(現バンダイナムコ)がゲームセンター用として発売したゲームです。
非常にコミカルなキャラと独特な発想で当時人気を誇りました。
地中を掘り進んで潜んでいるモンスターを倒すといういたってシンプルな内容ですが、まとめて倒す、埋まっている岩の下敷きにする、深い場所で倒す、などの方法で高得点を狙うこともできるので、やり込む人は徹底的に遊びつくしていたほどです。
ディグダグ
ディグダグはこの時代のゲームらしく完全なパターンゲームで、それぞれのラウンドで決まった動きを作ってしまえば簡単に最高得点を出すことも可能となります。
その攻略方法を探しだすのも楽しいゲームだったのです。
その後、家庭用ゲーム機からパソコン、携帯ゲームなど様々な機種に移植され続け、一方で「アクションパズル」の『ミスタードリラー』に堀ゲー精神が受け継がれることとなりました。
パックマン、マッピーなどと同様に、ナムコを代表するゲームの一つでもあります。
■「カタログIPオープン化プロジェクト」とは
そんなナムコが、2015年4月に自社が持つ17作品のIP(知的財産)を国内に住むクリエイター向けに開放し、コンテンツ作成に役立ててもらおうという企画を立ち上げました。それが「カタログIPオープン化プロジェクト」です。
参加するには審査を受けることになりますが、それに通れば該当する作品のキャラクター、設定、音楽などの使用が許可され、二次創作物の作成が可能となります。
法人ではスマホアプリやブラウザコンテンツ、個人では動画投稿による奨励金も受け取れるため、プロジェクト開始から1年で300を超える応募が寄せられ、40近いタイトルが配信済みとなっています。
当初、応募期間は2016年3月まで、作品公開は2020年までとされていましたが、応募期間の2年延長が行われました。
さらに開放コンテンツに4作品が追加されたこともあり、参加するクリエイターは増々増えることとなります。
■プロジェクトで生み出された新しい『ディグダグ』
「ハッピーミール株式会社」が2016年7月に配信を開始した『オラッ!ディグダグ ホレゆけ!ブラジル』もそのプロジェクトで生まれた作品の一つです。
ゲーム内容はさらにシンプルになって、目的地のブラジルを目指してひたすら地球を掘り進むだけです。
モンスターや岩に接触したり、酸素がなくなったりするとゲームオーバーというシビアなものですが、複雑な操作はないのでストレスなく遊べます。
使われているIPはディグダグがメインですが、ゲームには他のゲームのキャラクターも使われていまし、音楽はこれのために書かれたアレンジバージョンとなっていますので、当時のナムコゲームを知っている人なら懐かしく思えるでしょう。
長年IPについて厳しかったナムコが、限定的であってもそれを開放したというのは大きな変化と言えます。
せっかくのIPを埋もれさせるくらいならば、志のある人に開放し、有効に活用してもらうほうがゲーム業界の発展に繋がる、その考えは素晴らしいことだと思います。
単純にキャラクターや音楽だけを利用するのではなく、それに相応しいものを考え、新しい発想で作るというのが大事だということですね。
プロジェクトは2018年まで受け付けています。
法人だけでなく学校や個人でも応募できますので、腕試しに挑戦されてみてはいかがでしょうか。
意外な展開が待っているかもしれませんよ。
(カタログIPオープン化プロジェクト)
https://open.channel.or.jp/