数ある日本の映画やゲームといったコンテンツの中でも、ホラー作品は「ジャパニーズホラー」と呼ばれ、特に人気のあるジャンルです。
日本のホラー映画やゲームが世界的にヒットするばかりでなく、外国人の視点から見た“ニッポンのホラー”を描く作品も数多く制作されています。
フランスの美術系学校の学生が制作した“日本の怪談”を題材にしたホラーゲーム、『幽霊ステーション(Yurei Station)』が無料公開されています。
■なぜ「ジャパニーズホラー」は人気があるのか?
映画『リング』の世界的ヒットを皮切りに世界規模で「ジャパニーズホラー」がブームになりました。
その人気は映画にとどまらずゲームにおいても『バイオハザード』『サイレントヒル』といった日本のメーカーの制作するホラーゲームの世界規模のヒットにもつながっています。
特に『零』シリーズや『SIREN』シリーズは、“ジャパニーズホラー”らしいゲーム作品として評価されており、それらの作品に影響を受けたホラーゲームが海外でも数多くリリースされています。
しばしば指摘されることですが、ジャパニーズホラーの人気が世界的人気……特に欧米において人気が高いのは、日本のホラー=怪談が西洋のそれとは大きく質が異なっていることに理由があるようです。
よく知られるところでは、宗教観の違いが上げられますね。
西洋においては、キリスト教文化の影響で、一般的には悪魔が恐怖の対象とされているのに対し、日本の場合、それは誰かの霊魂=正体不明の存在が恐怖の対象になります。
西洋的な悪魔ははじめからその正体が判明しており、正面から恐怖の存在として立ち現れるのに対し、日本の幽霊は曖昧な=正体不明のものとして、背後や影から現れます。
その、正体の掴みにくさが、西洋的な恐怖の対象とはまた違う、陰湿な恐怖感を感じさせる点が、欧米人にとっては新鮮な恐怖感として感じられることが、ジャパニーズホラー人気を支える大きな要因になっているのかもしれません。
■フランス人の描く“日本の怪談”
フランスのインディーゲームデベロッパーAtelier Sentoが「日本の怪談」を題材にしたホラーゲーム『Yurei Station(Ghost Station)』を無料配信しています。
この『Yurei Station』はポイントクリック形式で進行するアドベンチャーゲームで、開発を担当したのは、美術系学校でワークショップに参加した学生たちです。
舞台は日本。
ボーイフレンドが失踪してしまった後、スマートフォンに奇妙なメッセージが届くようになった主人公の少女が、彼の失踪の理由と行く先を探し、不可思議なできごとに巻き込まれていきます。
水彩画風の独特のタッチで描かれるグラフィックは、どこか日本のホラーコミックを彷彿とさせる趣きがあり、興味をそそられますね。
Windows/Mac/Linuxで遊ぶことができます。
(公式サイト)
http://ateliersento.com/yureistation/index.html
(ゲーム配信元)
https://ateliersento.itch.io/yurei-station