近年流行しているサバイバル系のアクションゲームですが、ゾンビの徘徊するような近未来を舞台としたポストアポカリプス的な世界観のものが主流です。
そんな流行に逆らうように、2017年6月7日、1930年代から50年代にかけてアメリカで人気のあったパルプ・マガジン的世界観の4人co-opアクションゲーム『Strange Brigade』が発表されました。
■インディー・ジョーンズやスターウォーズの源流……パルプ・マガジン
1930年代から50年代にかけ、アメリカを中心に広く出版され、人気を博した大衆娯楽雑誌を「パルプ・マガジン」と呼びます。
パルプとはその当時使われていた易くて粗悪な紙（Pulp）を指し、その紙に印刷された、低俗で荒唐無稽とされた大衆娯楽小説やコミックを「パルプ・フィクション」とも呼びます。
クエンティン・タランティーノ監督の映画「パルプ・フィクション」も、この言葉からタイトルを引用しています。
現代において、パルプ・フィクションと言えば、1930～40年代を舞台に古代の遺跡や宝物を巡る冒険活劇、という印象が強くあります。
大人気のアクションゲーム『アンチャーテッド』シリーズも、パルプ・フィクションの影響を強く受けています。
このようなイメージの源流は、パルプ・フィクションを強く意識して作られた1980年代の大ヒット映画『インディー・ジョーンズ』シリーズが源流となっています。
しかし、パルプ・フィクションはそのような冒険活劇しかなかったわけではありません。
近年、TRPGとして特に人気のある「クトゥルフ神話」のようなホラーや、日本でテレビアニメ化されたこともある『キャプテンフューチャー』を始めとするSF（スペースオペラ）、西部劇や推理モノなど、あらゆるジャンルの作品が登場し、パルプ・マガジンの誌面を賑わせました。
パルプ・フィクションの代表的スペースオペラコミックのひとつに『フラッシュ・ゴードン』があります。1980年代にも映画化された作品で、クイーンが担当した主題歌『フラッシュのテーマ』も大ヒットしました。
かのジョージ・ルーカスも『フラッシュ・ゴードン』の映画化を狙っていましたが、権利問題で叶わず、その代わりに自身が企画・製作したスペースオペラが『スターウォーズ』でした。
パルプ・フィクションは、現代のエンターテイメントの源流とも言える、重要な役割を果たした作品群と言えるでしょう。
■パルプ・フィクション的冒険活劇を描く4人co-op『Strange Brigade』
2017年6月7日に発表された新作4人co-opアクションゲーム『Strange Brigade』は、1930年代のパルプ・フィクション的な冒険活劇をテーマとしたタイトルです。
開発を手がけるのは狙撃FPSとしてコアな人気を誇る『Sniper Elite』シリーズを製作したRebellionです。
公開されたティザーPVは、往年の冒険活劇映画を彷彿とさせる大げさなナレーションと共に、遺跡の発掘調査に訪れた4人の冒険家たちに蘇ったミイラやミノタウロス、さらにはエジプト神話の冥府の神であるアヌビス神らしき巨大な敵が襲いかかる様子を描いています。
対応機種はPC・PlayStation4・XboxOneが予定されています。
異色のオンラインアクションサバイバルとなりそうな『Strange Brigade』、どのようなゲームになるのか、今から気になるところです。
