1996年12月に発売された初代PlayStation用ソフト『クラッシュ・バンディクー』
そのシリーズ初期3部作をリメイクしたPlayStation4タイトル『クラッシュ・バンディクー ブッとび3段もり!』が2017年8月3日に国内で発売されましたが、先行して発売された海外市場では、旧作よりも難易度が高いとして物議を醸しています。
この問題について開発元がその理由についての説明を公表しました。
■スクロールアクションゲームの“方向”を変えた『クラッシュ・バンディクー』
1980年代から90年代前半に人気のあったゲームジャンルに「ベルトスクロールアクション」があります。
「ベルトスクロールアクション」とは、斜め上視点から見下ろしたフィールド上のプレイヤーキャラを操作し、進行方向となる画面の左右どちらかに向かって進行(大抵は左→右)しながら敵を倒していくアクションゲームを指すジャンル名です。
「スクロール」とは巻物のことで、さながら巻物を読み進めるように、ベルト状に続いたフィールドを進行してプレイすることから、この名前が付きました。
1987年にテクノスジャパンが発売したアーケードゲーム『ダブルドラゴン』を嚆矢とし、1989年にはカプコンの『ファイナルファイト』がヒット、その時代のアクションゲームの中心的なジャンルのひとつとして全盛期を迎えました。
しかし、1990年代後半以降になると、『ストリートファイター』シリーズを始めとする格闘ゲームが台頭、また、グラフィックが2Dから3Dへと変化し、2000年代以降はあまり新作が作られることもなくなってしまいました。
『クラッシュ・バンディクー』も、スタイルとしては「スクロールアクション」のひとつと言うことが可能です。
しかし、『クラッシュ・バンディクー』には、往年のベルトスクロールアクションにはありえなかった、大きなシステム上の特徴がありました。
それは、画面スクロールの方向が左右だけではなく、画面奥(もしくは手前)にも広がっているという点です。
これは、3Dグラフィックならではの表現であり、2Dグラフィック時代のベルトスクロールアクションでは不可能な画期的システムでもありました。
第一作では「宇宙初の奥スクロールアクション」という文言が煽り文句として使われています。
■リメイク版『クラッシュ・バンディクー』の難易度が上昇している理由
旧作発売当初から、コミカルな見た目に反してアクションゲームとしては難易度が高めに設定されていた『クラッシュ・バンディクー』ですが、2017年に発売されたシリーズ初期3部作をまとめたリメイクタイトル(国内タイトルは『クラッシュ・バンディクー ブッとび3段もり!』)について、旧作に比べて難易度が上がっているという指摘が、発売当初からなされていました。
この問題に関し、開発元のバイカリアス・ビジョンズは2017年7月20日に、なぜ難易度が旧作より高いのか、その理由を発表しました。
ハイカリアス・ビジョンの説明によれば、もともと『クラッシュ・バンディクー』シリーズ自体が難易度低めのゲームではなかったという前提のもと、旧作における操作上のストレスを取り除きながら、現代において原作の難しさを再現するため、このような仕様になったということです。
特に旧作第1作目の難易度調整が高めであることから、開発元は、旧作未経験の新規プレイヤーには、まず2、3作目をプレイしてから、1作目に戻るというプレイ順を推奨しています。