2016年にはPlayStation4対応のヘッドマウントディスプレイ「PS VR」も発売され、VRゲームの大きな波が来そうな2017年。
数あるVR対応ゲームの中でも、特に期待されているジャンルはホラーではないでしょうか?
VR化でますます恐怖度アップするホラーゲームを五感で味わい尽くすためのグッズを紹介しましょう。
■なぜ、ホラーゲームはVRにすると“より恐ろしく”なるのか?
ゲームに求める“楽しさ”は人それぞれでしょうが、多くの場合は『爽快感』や『知的好奇心』『感動』など、誰にでも理解できる、“楽しさ”であるということは確かです。
そんななか、異質と言えるのが“ホラーゲーム”でしょう。
日常生活にあって、“恐怖”や“不快感”といった感情を味わいたいと思う人は多くないでしょう。
相応の見返りが期待できない限り、進んで自分から生命の危険や苦痛を味わおうという人はそういないはずです、
ゲームに限らず、小説や映画では昔からホラーが人気のあるジャンルでした。
ホラーが娯楽作品としてヒットするのは、なによりも非日常的な怖さを覗き見る『怖いもの見たさ』という本能的働きが大きく影響しているのでしょうが、もうひとつ、ホラーが「娯楽」であるためには欠かせない条件があると言えます。
それは、作品世界と鑑賞者を隔てる『見えない壁』です。
どれほどリアルに描かれていようと、小説や映画の中の虚構世界と現実世界との間には目に見えない障壁が存在しており、鑑賞者は常に作品世界の外側から覗き込むことでしか、その世界を鑑賞することができません。
これが、ことホラーとなると受け手に安全を保証する障壁として機能するわけです。
小説や映画の中の出来事はどこまで言ってもフィクション=虚構であり、その世界が受け手である鑑賞者に影響することはありません。
ホラーではしばしば登場人物が生命の危険に晒されますが、それがフィクションであることを知っているからこそ、受け手はある意味“安心”して恐怖を鑑賞することができるわけです。
しかし、ゲームはこの“作品世界”と“鑑賞者”の関係にひとつの変化をもたらしました。
ゲームは、プレイヤーが能動的に操作することで成立する娯楽です。
映画の鑑賞者と違い、ゲームでは、それを鑑賞する者がより作品世界に能動的に関わることになるのです。
これを逆に捉えるなら、作品世界内で起こる出来事は、より現実に近い出来事として鑑賞者に捉えられることになるとも言えます。
この、ゲーム特有の性質がホラーゲームではより大きく影響することになります。
ゲームは「観るのは怖い、けど観たい」という鑑賞者の欲求によりダイレクトに答えることができます。
小説や映画では担保されていた「見えない障壁の安全」が、ここでは脅かされ、より恐ろしさが現実的なものとして体感できるというわけです。
小説や映画などと比べ、ゲームにおけるホラージャンルの隆盛ぶりには、そのような理由があると思われます。
まして、これがVRともなれば、更に「見えない障壁」は薄いものとなり、ダイレクトに恐怖を体感することができるようになるわけです。
VR機器が本格的に普及し始め、今後より爆発的にヒットするホラーゲームが誕生するかもしれません。
■屋敷の“匂い”を再現する『バイオハザード7 4D candle』
映像だけに留まらず、身体的な感覚へ同時に訴えかける作品を『4D』と呼ぶことがあります。
映像だけでは伝わらない振動や衝撃、風の動きなどのファクターを身体的に捉えることのできる形で映像に付加し、仮想の体験をよりリアルに感じさせる手法です。(例えば、HMDでパラグライダーの映像を観る人に送風機で風を当て、より“空を飛んでいる”感覚をリアルするなど)
2017年1月26日に発売されるカプコンの大人気ホラーゲーム『バイオハザード7 レジデントイービル』。
この作品はPSVRにも対応していますが、よりゲームに没入して恐怖を味わい尽くすためのグッズとして発売されるのが『4D Candle』です。
公式ライセンス商品でもあるこのグッズの正式名称は「Wood, Sweat and Fears 4D VR Candle」。
見ての通り、血のような色をした不気味なロウソクですが、このロウソクの特徴は、灯すことで古い木材や皮革の匂いを発生させるというもの。
ゲームの舞台となる不気味な「ベイカー邸」の中に立ち込める匂いを再現しているのです。
このキャンドルを灯してPSVRでプレイすれば、視覚・聴覚だけでなく、嗅覚でもゲーム内世界を体感することが出来、より刺激的な恐怖を味わうことができるでしょう。
「Wood, Sweat and Fears 4D VR Candle」は海外サイトMerchoidで1月20日に発売予定、値段は18.99ドルです。