トルネコの大冒険は、チュンソフト(現スパイクチュンソフト)が開発したローグ系のゲームです。
海外では人気があったローグ系のゲームですが、『トルネコの大冒険』が発売されるまでは本格的なローグ系の作品というのはありませんでした。
今では不思議なダンジョンシリーズを始めとして、ネクロダンサー、アザーライフアザードリームス、ディアブロなどのローグ系のゲームは日本でも人気の作品となっています。
◆キャラクターが強くなるのではなくプレイヤーが強くなるゲーム
トルネコの大冒険は、1993年9月19日にスーパーファミコン用のゲームソフトとしてスパイクチュンソフトから発売されたゲームです。
ドラゴンクエスト4に出てきた仲間の一人であるトルネコが主人公で、自分の店を大きくするという目的で、不思議なダンジョンに挑んでアイテムを持ち帰って売る事と、しあわせの箱というアイテムを手に入れる事を目的としたストーリーです。
しあわせの箱を手に入れた後のもっと不思議なダンジョンこそが、ローグ系の真骨頂であり、手に入るアイテムの殆どが未鑑定の状態で登場し、何の効果なのかを鑑定しながらゲームを進める必要があるゲームです。
トルネコの大冒険は、トルネコ自体は強くなっていきますが、ダンジョンから出てしまうとレベルは元に戻ってしまい、もっと不思議なダンジョンでは、アイテムを持ち込めないので、死んでしまった場合はそこで終わりになってしまいます。
運の要素はかなり大きく、強い武器を手に入れても食料であるパンが出ないで餓死してしまうということもあります。
しかし、餓死を回避する方法はいくつもあり、草を食べて凌ぐ事や、なるべく満腹度を減らさないように進むなど、ゲーム内のアイテムを使って、どうやって乗り切っていくかを考える必要があり、ゲームのキャラクターが成長するのではなく、プレイヤー自身が知識とテクニックを身に着けて成長するゲームです。
◆ドラゴンクエストの恩恵
ローグ系のゲームというのは日本では馴染みが無く、チュンソフトの中村氏と長畑氏はローグ系のゲームは当たると思いつつも、どうやって展開をしていくかを考えていました。
そこで中村氏はドラゴンクエストで交友があった堀井雄二氏に、ドラゴンクエスト4のキャラクターを使わせてほしいと頼み、堀井氏も承諾し馴染みのあるトルネコがキャラクターとして採用され、興味をもってくれるユーザーが増加しました。
トルネコの大冒険がヒットしたおかげもあり、ローグ系のゲームは日本でも大量につくられるようになり馴染みのある作品になっていったのです。